11月28日(土)に、オープンキャンパスが開催されます。法学部の模擬授業の中身を、ちょっとだけお見せします。続きはぜひ、当日の模擬授業で!
犯罪捜査にGPSは使えるか? ―刑事訴訟法―
法学部専任講師 竹内健互
刑事さんが被疑者(犯人であると疑われる人)の自宅前で張り込みをしたり、その行動を尾行したりする。そんな捜査方法は、既に皆さんも刑事ドラマなどでお馴染みの光景でしょう。しかし今やあるハイテク機器を使えば、刑事さんが直接尾行しなくても被疑者の追跡も可能です。そう、カーナビやスマホなどに付いているGPSがそれです。
以前は、監視の中心は人による見張りでしたが、GPSを使えば、24時間いつでもどこでも被疑者の行動を監視することが可能ですし、人の記憶と違って、位置情報や移動履歴を、精度の高いデータとして大量に記録することもカンタンにできます。
実際、被疑者の車にGPSを取り付ければ、被疑者に気づかれることなく居場所を把握できますし、対象者を見失ってもすぐに居場所を特定できる点で、GPSは犯罪捜査の大きな切り札となるでしょう。けれども、被疑者からすれば、知らないうちに自分の現在地や行動パターンが丸はだかにされてしまう点で、とても危険なもののように感じられるはずです。
このように、GPS捜査は便利な反面、大きな問題があるともいわれています。犯罪捜査のためには、この程度のプライバシー侵害はやむを得ないのでしょうか。
模擬授業では、これらの点について、犯罪を捜査する刑事さんが守るべきルールという点から皆さんと一緒に考えてみたいと思います。