![20150821law_01.jpg](http://www.surugadai.ac.jp/gakubu_in/hogaku/images/20150821law_01.jpg)
≪竹内健互専任講師≫
刑事もののドラマに見られるように、刑事が真犯人の検挙に奔走し、事件の真相にスリリングに迫る。そんなお決まりのストーリーのクライマックスを盛り上げるのは、何といっても「意外な真犯人」でしょう。この「まさか!?」という一瞬のために、それまでのストーリーが紡ぎ出されていたのか、とさえ思えます。たいていドラマはそのままエンディングを迎えますが、ここで一つ野暮な疑問が生じます。「その後」はどうなるの!?
最終的に誰かを犯人として処罰するためには、捜査機関がある人を犯人と考えるだけでは不十分です。人を処罰するためには、クリアしなければならない多くの「ステップ=刑事手続」があります。そして、捜査から公判に至る一連の刑事手続に関するルールを定めた法律が「刑事訴訟法」に他なりません。
ドラマの世界と違って、現実の世界では生身の人間を裁くわけですから、誤判冤罪を避けて、真犯人かどうかを確定するためには、それらのステップをすべてクリアしなければならないのです。要するに、最終的に裁判所により有罪判決が下されて初めて、誰が犯人かが判明するのです。だとすれば、実際の刑事事件では、「その後」に(=公判の段階で)「やはり真犯人かどうか疑わしい!?」という第二の「まさか!?」が待ち受けているかもしれません。
講義では、真実発見と人権保障の調整を意識しつつ、捜査の違法と適法の線引きのあり方や、刑事訴訟法の重要な原理・原則などについて、実際の刑事事件を素材にして一緒に考えていきたいと思っています。