法学部教授 長谷川裕寿
本日(8月7日)、サマースクール型AOの講義を担当した長谷川です。今日のスクールで教えたかったことについて一言。これからサマースクール型AO、スクール型AO、オープンキャンパスの模擬授業に参加する際の参考にしてください。
法律の世界は、唯一絶対の解のない世界です。実際に裁判で下される判決にしても、見方を変えれば、裁判官という人たちがたまたま―それなりの理由があって―選び取った立場から導き出した結論にすぎない、ともいえるのです。ですので、いろいろな見方・考え方があってよいのです。
さて、今日のサマースクール型AOですが、「『狙い通り』に行かなくてもワザトといえる!?」というテーマでした。当初狙った人とは別の人に犯罪結果が生じてしまった場合に、ミス(過失)ではなく、ワザト(故意)やったと法的に評価できるかという問題です。講義したとおり、「単なるミスである」という見解も「ワザトやったといえる」という見解もありました。これらの見解がどのような結論の違いをもたらすのかについて、丁寧に説明したつもりです。
見方・考え方の違いは、現実に起こりうる事件の対処に違いをもたらします。ときには有罪/無罪というように。天と地ほどの違いとして。考え方の違いを知ることは、だから重要なのです。
今回のスクールで目指したのは、以下の点でした。
(1)多様な見方・考え方を知る
(2)自ら選び取った立場から論理的に結論を導き出す
(3)(1)(2)を踏まえて、法律答案として、適切に表現できる
どうでしょう、書けましたか?
次回のサマースクール入試は、8月21日(金)・22日(土)に行われます。