法学部では、11月下旬に「学部デー」として、政府機関や美術館など様々な場所を訪れる企画を実施しました。今回はその「学部デー」報告の第7弾。
「東京町歩き」として例年テーマを決めて東京を散策しています。昨年の大震災をうけて関東地方でも地震などの巨大災害に関心が高まっています。今年は、1923年(大正12年)の関東大震災を中心に東京の大災害と復興を考えることにしました。
東京両国の国技館付近はかつて本所の陸軍被服廠のあった場所で、関東大震災の避難者約3万8千人が一度に犠牲になった悲劇の地です。その一角に横網町公園があり、東京都慰霊堂と復興記念館(資料館)があります。震災を経験した小学生の生の原稿などが展示されています。
1年生のゼミで吉村昭著『関東大震災』(文春文庫)を読んだばかりで、ゼミ生はかなり突っ込んだ質問をしながら見学していました。また両国には回向院(えこういん)という寺があります。犠牲者10万人以上という江戸時代最大の火事、明暦の大火(1657年)の犠牲者を弔うために立てられた寺です。多くの人が参詣するので相撲の興行が行われ、大相撲の起源ともいえる場所になっています。
両国から東京駅に移動して今年10月に1914年(大正3年)の開業時の姿にリニューアル・オープンしたばかりの東京駅を内側と外側から見学しました。東京駅は関東大震災では無事でしたが、1945年5月の空襲で焼け落ちて60年以上も仮復旧の姿のままでした。東京駅から江戸城(皇居東御苑)を大手門から平川門まで歩いて通り抜け、竹橋で解散しました。東京は城下町であるということを知ってもらうことができたと思います。